名古屋ビクトリア合唱団第2回教会コンサート

今回は初めてゲネプロを見せてもらった。

なので、純粋にお客として
本番だけを聞いた立場には
なれなかったかもしれない。

それを踏まえての感想。

前半のタリスのエレミアは
熱い演奏で良かったです。

下手をすれば、単調になりがちで
聞く方が集中しきれなくなる
危険をはらんでいる曲ですが
最初から最後まで緊張感を保った
良い演奏だったと思います。

後半のアヴェマリア集。
個人的にはパーソンズの曲が気に入りました。
ブラームスブルックナーを聞くのは
随分久しぶりでしたが
また演奏してみたいと思わせてくれる
良い演奏でした。

オルガンとの合わせも
うまくいっていたと思います。

ヴィクトリア8声のアヴェマリアに関しては
多少ばらつきと、ピッチの不安定さが
聞こえてきましたが、
それは今後に向けた課題かもしれません。

特にテノールが半分に割れて
パワー半分になっていました。

ただし、こうは書きましたが
テノールに関しては
演奏会ごとに力を付けていて
前回の5月の演奏会より
更にレベルが上がっていました。
今後も楽しみです。

アンコールと銘打ったもう一ステージ。
クリスマスの定番も含めた構成。
お客さんも少しホッとして
聞けたのではないでしょうか。

全体を通して
どの曲も本番が一番良い演奏でした。

ゲネでも結構フルで歌っていたにもかかわらず
本番でもテンションが落ちなかったのは
誇って良いと思います。

毎回毎回、少しずつ
向上しているのを
見て、
聞くことが出来るのは
うれしいですね。
就職するメンバーが増えて
練習や運営が難しくなっている中で
これが出来ているのは
評価されてしかるべきだと思います。

ほとんどアカペラのプログラムで
あそこまでブレずに
最後まで聞かせることができる合唱団は
そう多くないでしょう。

さて、最後に気にかかった点をいくつか。
当間先生のHPでも触れられていますが
ゲネで、何曲か大阪のメンバーが
加わって歌いました。

そこで感じたことです。
音楽に対する食いつきというか
指揮者が感じた、示したい音楽に対する
反応が、乱暴な言い方をすれば
鈍い、と言うことです。

もっと反応できるようになると
良いのになぁと思いました。

言葉を選ばずに言えば
持っている技術は高いのに
指揮者に歌わされている状態
にあるのかな、と。

うまく伝わるか分かりませんが
こう思うのです。

指揮者の音楽に反応するためには
その曲に対して
奏者側も音楽を持っていなければならない。
そのフレーズ、その旋律に対して
感じる音楽を持って初めて
指揮者の音楽に反応できるんだと
そう、思うのです。

化学反応みたいなもんでしょうか?
一方通行ではなく、双方向のイメージ。

その時、留意すべきことは
自分を示したり、誇示するものであっては
ならないんやろうなと言うことです。

譜面に込められている音楽を
自分という媒体を通して
具現化することに
忠実であるべきだと思うのです。
(自分への反省も含めて)

そうでなければ、
出てくるものが嘘になってしまうと
僕は思います。

自分の都合や事情を越えたところに
音楽の本当の面白さが
あるように思うのです。

つまり、今回
ビクトリア合唱団のメンバーに感じたのは
それぞれが持っている音楽がまだ薄い
ということでした。
(曲によってバラツキがある?好き嫌い?)
それと、まだ個々の都合や事情が
(発声のことや練習量のことでしょうか)
多くを占めているということを
感じてしまいました。

一人のお客として
わがままを言わせてもらうなら、
もっともっと密度の高い
ドキドキする演奏を聴きたいわけで。

そういうことが
可能な面子だと思うので、
もっとドキドキしたいなぁ
と強く強く希望します。