名古屋ビクトリア合唱団第4回定期演奏会感想

しらかわホールにて。

僕の座った席は、
アリーナ席の中央通路に面した
そのすぐ後ろ。

始まったときの第一印象。
増えたなぁ、団員。

第1ステージ
ビクトリアのモテット。

当然オールアカペラ。
安定していて
安心して聴ける演奏。
丹念で丁寧な印象。

ソプラノでラテン語
やや不明瞭になるところがあった。
逆にベースの発音はよく分かった。

と差がはっきり分かるほどに
各声部がそろっていた。

声部が次々と折り重なっていく
ポリフォニーの構造が
楽しめた演奏だった。

第2ステージ
柴田南雄追分節考。

譜面通りのキーでの演奏。
(シュッツではキーを下げている)
尺八、女声の「け」も入った
フルバージョンの演奏。

よくやった
と思いました。

と、同時に
彼らのやっているのを聞いて
難しい曲だなと
改めて思いました。
(自分でやっていると
よくわからなくなる)

新しい演出もあり
驚くことも多かったです。

ただし
完全にお客に徹しれたかと
言われると、微妙でした。

客席を練り歩く
男声が、素に戻るのが
目に入り、
少し醒めてしまったのでした。

この辺は、
あくまで僕の
個人的見解です。

お客に近いからこそ
ごまかしがきかないわけで。

だからこそ、
演じて欲しいのです。

なんと言ったらいいか。
発表会なのか
演奏会なのか
の差でしょうか。

僕は演奏会を聴きに来たつもりでした。

だから、醒めたんでしょう。

休憩20分の後、後半。

第3ステージ
松下耕の信じる。

谷川俊太郎の詩にあった
良い曲だなぁと思った。

ハモリ、歌詞の明瞭さ
申し分なかったですね。
歌詞カードは見る必要なしです。

第4ステージ
千原英喜 雨ニモ負ケズ
これで決定稿でしょうか?(笑)
テノールの旋律、
微妙に変わっていたし。

やはり良い曲です。
3曲目のアカペラの緊張感も
良く出ていました。

終曲も熱演でした。

全体的に、整っていて
丁寧な演奏と感じました。

逆に、もう少し
大胆な、失敗すれすれのような
演奏があっても良かったかな
とも思いました。

アンコールでの
詩の詠唱は、若さが出ました。
一番大事なところが
バラバラに・・・・。

しかし、熱い詠唱でした。
それに対する、歌の入りが
やや淡泊に感じました。

あの熱さを受けて
さあ!という感じでは
ありませんでした。

色々書きましたが
全体としては
レベルの高い演奏でした。

自分より
10くらい年下の彼らが
自分たちだけで
追分をやったということで
たのもしく、
そして、うれしく
感じました。