今のこの思い

日々、いろいろ
思うところがあるけれど
今のこの思いは
どんなに言葉を尽くしても
10年前の僕には
説明できないかもしれない。

自分に残された時間というか
人生というゲームの
残り時間を
これほどリアルに
感じ始めるとは
あまり予想していなかった。

若さ故に、
先延ばしにしたり
時間を無駄にしたり
また今度、というようなことを
繰り返したり。

そのときは
時間に限りがあるという
ことは
頭では分かっていても
実感としては
分かっていなかった
と今は思う。

時間を戻すことができない
という当たり前のことが
最近、実感として
ひしひしと感じる。

焦りであるとか
後悔の感情はない。

その、蕩々と
一方向に流れゆく
時間というものの
不思議さを
改めて、実感することが
最近多いのだ。

今は時を正確に刻む
時計があるけれど
それ以前に
人は、どのように時間を
とらえていたのか
すごく興味がある。

おそらく、
古い本をひもとけば
過去の人の言葉を
聞くことができるんだろうな。

科学がどのように
時間をとらえてきたのかにも
興味が尽きない。

音楽をやっている楽しみは
過去の作曲家と
対話ができることだ。

そういう、タイムカプセルに
直に触れることのできる
演奏会という時間は
僕を魅了してやまない。

つくづく
生きるというのは
不思議だ。

分かる人には分かる.