Es ist vollbracht!
初めてのヨハネ受難曲のエヴァンゲリストが昨日、終わりました。お客さんにも喜んでもらえたのでは、と思っています。そのことが一番うれしいですね。
演奏している最中は、エキサイトしていく部分と、冷静な部分と、交互に現れるという、今まであまり経験したことのない気持ちになりました。
今回のようにソロに徹した演奏会はおそらく初めてなので、そのせいかもしれません。
合唱だけを歌っている演奏会に比べて、頭の中はかなりクールでした。
とにかく、
「Jesus ging mit seinen Jüngern über dem Bach Kidron」から
「dieweil das Grab nahe war.」まで行かなければならない、そのことは常に頭にあって、そこに至るまでに、いくつかの越えなければならない山がいくつもある。ちょうど長距離を走っているような、でも途中リタイヤは決して許されず、ゴールもヘロヘロのフラフラでは決して許されない、そんな感じでした。
しかも、リハーサルはフルでやるので、演奏会当日はそれを2回する必要があります。今回はその厳しさを、いつも以上に感じていたかもしれません。そしてこの曲がテノール独唱を分担できない時(13曲目と20曲目のアリア34曲目のアリオーソをエヴァンゲリスト以外のテノールが歌うこと)、「テノール殺し」と言われる事を身をもって実感しました。
今回は、冒頭の合唱を歌い、1部の最後のコラール、そして2部最後の2曲、39曲目と40曲目も歌いました。そんな演奏会だったので、終わった感動よりも、お客さんに喜んでもらえてホッとした方が勝ってしまったかもしれません。
でも、またやってみたい、そう思いました。声の続く限り。
やはりバッハは凄い。そう思いました。