演奏旅行日記25 イタリア最後の演奏会そして

昼食は、近くの店で購入した
大量のパニーニ。

練習会場で、みんなそれぞれにいただく。
昼食後、先生から
昼寝の指示。

その後、練習。
今日も全部歌えることになった。

長年、全部歌うというスタイルをやってきたせいか
この形が一番しっくりくることに
改めて気がついた。

開演の1時間前からなら
教会が使えるが、
着替える場所などは無いため
練習場で交代で着替え
ゲネも衣装のまま、することに。

追分けのセッティングに思ったより
時間がかかり
マントヴァの時とは違い制約が多かった)
ゲネ終了と開演がほぼ同じに。

ひっこむべき舞台袖もなく
教会の下手側に固まって
開演を待つという
未だかつて経験したことのない状況に。

そういえば、キューだしのタイミングとか
どうなってたっけ?
という状態で、何とか開演。

事前の宣伝があまりなかったせいか
今までで一番少ないお客さんの状況から
スタート。

ただ、演奏が進むごとに
会場は少しずつ熱を帯びてきて
追分けが終わると
スタンディングオベーション
前へ戻ろうとする男声の間を割って
握手を求めてくるほど。

アンコールももっともたくさんやることに。
最後、バーバーのアニュスデイは渾身の演奏。

どこにそんな声が残っていたのか?
と驚くほどの熱のこもった演奏だった。

教会関係者も最後は上機嫌(に見えた)で
教会内に飾られている絵のレプリカを
団員一人一人に配ってくれるほど。

終了した後も、会場にいる団員を捕まえては
熱っぽく感想を述べるお客さんの風景が
あちこちで見られた。

初めての演奏旅行が
こういう形で体験できた彼らは
良かったなぁ、と思った。

片付けが終わって
外に出ると、
空はすっかりさわやかに晴れ渡っていた。

着替えて、アカデミア橋方面へ。
橋を渡って、昨日演奏した
ロザリオの聖マリア教会まで
歩いていった。



昨日の行きと同様
船をチャーターしてあって、
船着き場から乗り込んだ。

ライナー曰く、水上バスで行くより
チャーターした方が安いから
ずっとそうしたら良かったのに、
とのこと。

すべての公式日程が終わった船内は
開放感で、みんなのテンションも
高めだった。

やがて船は、サンタルチア駅前の船着き場に
到着した。

つづく・・・。