演奏旅行日記28 静かな雨

ヴェネツィアを散策するのは
昼からにしようということになった。
案内してくれる
サブリナの仕事が終わるのが
午後1時過ぎらしく、
雨も随分降っているので。

ホテルのロビーから
駅前へ続く通りを眺めていると
通勤時間帯なのか
仕事へ急ぐ人が目に付いた。
ヴェネツィアに来て、
こういう風景を見るのは
初めてかもしれない。

部屋に戻ると
多少疲れもあって、
雨音を聞きながら、
少しぼーっとしていた。

このままだと何ので、
BGMでもとiPhoneの中身を見てみると
お、ヴェスプロがある。

しかも、フレスコバルディの
Sancta Mariaが入っているやつ。

雨は強くなってきた。

通奏低音盤のヴェスプロがなんとも
マッチする。

バッハでもなく
モンテヴェルディが入っていて
良かった。

それを聞いているだけで
午前中は終わってしまった。

雨は一向に止む気配はなく、
昼食はホテルの真下の
ピザ屋さんで取るとになった。

ロッコさんも合流して
店の奥へ。
僕らが入ってからあっという間に
店内は満杯になった。


僕らが食事に時間がかかったのもあるけれど
いっぱいだった人は、ある時間がすぎると
あっという間にいなくなってしまった。

外に出るとまだ、雨だった。
ここで、サブリナが合流。

サンタルチア駅前の橋を渡って
フラーリ教会へ向かった。








モンテヴェルディのお墓のある教会だ。
尋ねるのは10年以上ぶりになる。

今回はサブリナのガイド付きだ。
少しずつ作られたという教会の歴史から
礼拝堂奥にある昇天するマリアの絵と
入り口からの位置関係、
教会の蔵書がすごい量で、
モンテヴェルディ団員の園田さんと
調べに来た話であるとか
頭に入り切らないくらい
たくさんの話を聞いた。

もちろん、モンテヴェルディのお墓参りも。



外に出ると、風はあるものの
雨は止んでいた。

更に先に進もうとしたところ
マントヴァから来てくれていた
ロッコさんが、列車の時間があるから
ここで帰ると。


もちろん、みんなして全力で説得
帰るのは明日になりました。

再び、サブリナを先頭に
細い路地を進んで行きます。

が、行く先は・・・・・・・。

つづく・・・・・。