私が歌う理由(わけ)8

前回

結局、合唱音楽と接点がないまま
僕は高校生になった。
 
合唱はおろか音楽系の部に入る気は全くなく
僕は結局、ラグビー部に入った。
 
ここから約半年弱、
ラグビー部で過ごすことになる。
 
高校に入り、ラグビー部に入部し
2ヶ月ほど経ったある日の授業でのこと。
僕は芸術で音楽を選択していたので
その中でちょっとしたテストがあったのだ。
 
歌のテストだった。
 
曲はイタリア歌曲の「カーロミオベン」
歌うことは好きだったので、
当然張り切って歌った。
 
まぁまぁかな?という感じでテスト終了。
 
部屋を出ようとすると、
採点していた音楽の先生が
 
「合唱部、男子部員募集しています!」
 
『へ?なに?』
 
採点していた音楽の先生はよく考えたら
合唱部の顧問だったのだ。
すると、伴奏していた生徒、
後ろで待っていた女生徒も
 
「合唱部、男子部員募集しています!」
 
と言うではないですか。2人とも合唱部員・・。
 
『な、なんや?』
 
突然の勧誘に、
僕は「はぁ・・・・」と生返事をして
その場を後にした。
 
その時僕は
『合唱なんかするわけないやん』
と、思っていたのだ。
 
ただ、そのことがきっかけで、合唱部員から
話しかけられるようになり、そして
実はその時のクラスに合唱部員が6人もいることを
知ることになった。
 
今にして思うと、合唱をしている人たちとの
初めての接触だった。

つづく・・・。