曙の昇るかに

曙の昇るかに
国人 わが周りに 集い来たり、

今回の本番で演奏した、
カンタータ<洪水>
ギルガメッシュ叙事詩/第十一の書板・大洪水の話より
の3曲目の始まりの詩だ。

ゲネプロの時、
このフレーズが始まった瞬間、
今回の地震のこと、
救援のために全国から、世界から
人が集まる様子と、
この音楽がピッタリはまって
気持ちの制御が効かなくなってしまった。

涙を堪えるのに必死で、
この曲をほとんどを
まともに歌うことが出来なかった。

自分の中に、
この地震に対するショックが
思った以上にあり
その支援に対して心から感謝している
そんな気持ちがあふれていたことが
よく分かった。

その後の

匠(たくみ)らは 斧を運び
葦の職人らは 石を運び
働き手は おのがじし仕事を果たす。

の部分で、被災者の救助、
原発の事故処理、
警察の方々、
地元自治体の方々、
自衛隊の人々、
とにかく、今回の地震に関わっているであろう人たちの
姿に思いが及んで、
どんなに、気持ちを切り替えようとしても
ダメだった。

被災地の方々のこれから数年の
ご苦労を思うと、心が痛みます。

神戸の震災の時、警察や消防車、
救急車などの中に
今回、被災された岩手や福島、茨城など
はるばるその地域から
来られた方々がおられたことも
思い出しました。

自然の猛威である
地震は、自分にとって、
見慣れた風景を失った経験
そして今の仕事の原点としても
忘れ難いことであることも、
改めて自覚することになった。