力が入らない

名古屋の本番の後、
体調も含めてなかなか復調しない。

原因はわかっている。
今回の震災だ。

今回、直接被災していないが、
今までになく強く、
その当時のことを頭だけでなく
体が思い出している。

全く役に立たない
使い物ならない自分を否応なく思い出す
仕事でも、音楽でも。

あの時期へリセットされる恐怖だ。
そんなことはあり得ない
と理屈で分かっていても
どうやら恐怖が染み付いている。

あの時、自分に出来ることは
何も無かった。
仕事でも、音楽でも。

同時に、あの震災がなければ
僕は今、こうして歌ってはいなかった。

震災がなければ、きっと
音楽はやめていただろう。
それも、動かしようのない事実だ。

恐怖の記憶であり、
人生における転換点でもあった。

あの時、死ぬことなく今まで生き永らえた事について、
考えてもいいのかもしれない。