映画放談「ウォーム・ボディーズ」

どのジャンルに入れていいか悩む映画。
コメディの範疇なんだろうけど、
ソンビ映画としての基本(?)も
押さえてあるので、
一部の人にとっては苦手であろうシーンも、
ちゃんと、描いている。

思いついたのは、
寓話的ゾンビ物語(映画)。

背景は、たぶん現代で、
何らかの原因でゾンビ化した人と、生き残った人がいる世界のお話。

面白いのは、ゾンビになってしまった青年が主人公だということ。

ソンビな彼は、うまく話せない。
それこそ「う〜」とか「あ〜」しか言えない。
ただ、ナレーションで心の声が流れて、
それが面白い。

一応親友(ゾンビの)もいる。

仲間(?)に向かって、
『それ気持ち悪い』って言ったり(思ったり)する。
なんで人を襲うか?
なんである程度、人数を揃えて集団行動するのか?
仲間にも種類があるなどなど
いままで誰も語らなかった、
ゾンビ側の心象風景を、主人公の青年ゾンビが語るのだ。

対する人間側の描き方は、
普通のゾンビパニックそのもの。

妙に面白いゾンビ側と
純粋に恐怖感じている人間側の対比が
なんともシュール。

予告編にもあるように、
その青年ゾンビが、ヒロインと出会って、
何かが起こるわけだ。

そこを接点に物語が展開していく。

他にもあるのかもしれないけれど、
少なくとも僕は、この手の映画で
こんなエンディングはお目にかかったことがない。
ひょっとしたら、この作品は
エポックメイキングな作品として
後々語られるものになるような気がしている。
(ならないかもしれないけれど)

こういう出会いがあるから映画は楽しい。