映画放談「メイジーの瞳」

メイジー
都合のいい人間としての振る舞いを求める
生物学上の実の親。

メイジー
子供として振る舞うことを許容し、
人間として接した青年。

子供は、自立するまで、
庇護のもと生活するしか無い、
その庇護が一瞬外れた時、
ついにメイジーは泣くんですよ。

彼女が最初暮らしている環境の異常さは、
遊びに来た友達が泣き出すところで
印象的に描かれる。
でも、メイジーは気がつかない。

不当なことに対して
真っ当な反応を見せることによってしか
子供はそのことに気がつかない。

その意味で、青年が、
実の母親に対して示した態度は、
メイジーの転換点だった。

将来に亘って、
彼女に救いがあるとしたら、
その一点だと、個人的には思った。

最終的にこの映画を見て、
登場人物の名前を覚えていたのは
主人公のメイジー
唯一まともな大人だった
青年リンカーンだけだった。

もっと話題になって良い映画でしょう。

架空ですけど、
少女メイジーに幸あれと
願わずにはいられない。