14年

多くの人にとっても
そうであったように
僕にとっても分岐点だった。

命のあるなしも
あの時ばかりは
運が作用したと思う。

職員になってちょうど半年目
はっきり言って
役にも立たない
悲しいほど中途半端な若造だった。

その非常時において
被災した自宅周辺でも
職場でも
全く役に立たなかったことで
根拠のなかった自信のようなものは
雲散霧消した。

兵庫県の職員としても
まだ、何にもできないことを
思い知った。

そこから14年経った。

あの、徹底的に
思い知らされた
その経験が
やはり自分の原点だなと
思う。

あれがあったから
今の自分があるんだと
はっきり言える。