演奏旅行日記21 部屋はどこだ?

ヴェネツィアでの宿、
フロントは2階で、
そこまで、
エスカレータやエレベータがないため
これだけの集団が荷物を上げるのに、
結構時間がかかってしまった。

演奏旅行委員から、順次
鍵を渡され、
部屋に向かうことに。

が、行き先は
上に向かう階段一つ
併設するエレベータ一つ
それと、奥に向かうと思われる
細い通路一つである。

その細い通路、少し向こうが
行き止まりに見える。

??どこだ?部屋は?

一人が偵察に向かう。
どうやら、細い通路、突き当たりを
左に曲がれる様だ。

しかし、それだけでは
この人数を収容できるとは
思えない。

さらに行くと、突き当たりを
右に曲がることができた。

まだ、目指す部屋番号はない。
曲がって少し驚いた。

今度は、一見して突き当たりが見えない。
????
どこまであるんだ?
このホテル?

さらに行くと、途中
下に降りる階段あり、
さらに行くと、上と下に行く
階段ありと、
迷宮の様相を呈してきた。
ここまできて、突き当たりが見えた。

僕の部屋はその角だった。

突き当たりは、右に続いていた。
そちらに向かう人もあった。
どうも、それで行き止まりの様だった。

何か、面白そうなホテルであることは
間違いないようだ。

部屋は小豆色というか、ワインレッドで統一された
落ち着いた部屋だ。

窓を開けると、狭い路地を挟んで
すぐに向かいの建物で、
上1/3は、屋根だった。
何とも趣のある風景。



ここでも、マントヴァと同様の
鳥の鳴き声と、
加えて、カモメの鳴き声が
耳に飛び込んできた。

海の街に来たんだよなあと、
改めて思った。

演奏会の準備をすると、
フロントへと向かった。
今来たばかりの長い道を逆に。

つづく•••。