NHK大河ドラマ考

今回の大河は
批判されている記事をよく、目にする。

主人公が「のだめっぽい」とか
武将の話しぶりが現代ドラマみたいだとか。

それらの批判をよそに
僕自身は結構、今回の大河も楽しんで観ている。

ここ数年の大河の傾向として
主人公が幼かったり、
頼りなかったり
パッとしない状況から描き始めることが
多いと思う。

よく考えれば、それら主人公に選ばれた人物は
(演じ手ではなく)
最終的に、歴史に名を残す人物になったわけで
最初から、幼年期から、早年期、壮年期から
立派だったり、力を持っていたわけではない
と思う。

いろんな出来事に会い
様々な人々との出会いから
そう言う人に成長していくわけで。

極論を言えば、最終回で
そう言う人物になったと言うことを
描ければ良いはずなのだ。

ここ数年の大河は
そう言うことを意識しているように
僕は感じている。

若い頃には敢えて
頼りなく、声も高めに演じて
後半に行くに従って
表情や声のトーンを
計算して(逆算して)変化させていっているのだ。
篤姫や、龍馬伝などはそれを顕著に感じた。

そして今回の「江」である。

1話ずつ、進むに従って
上野樹里さんの演技が
段々変わって行っている。

彼女のポジションが少し控えめに見えたり
物足りなく見えるのは仕方がない。

何せ周りにいるのは
織田信長、その妹の市(江の母)
浅井長政(父)、茶々(姉)
豊臣秀吉(三番目の義父)、徳川家康(四番目の義父)
明智光秀千利休柴田勝家(最初の義父)
などなど
はっきり言って、歴史上のオールスターである。

そこで、初っぱなから
変に際だっている方が
【遙かに不自然である】

殊に、この「江」に関しては
物足りなく見えて当たり前だ。

むしろ、最後にどのようになっていくのか
今から楽しみで仕方がない。

これまででも、信長の描き方
信長と市の関係
「江」を狂言回しにして
信長の本心や、明智光秀の本心を語らせたり
前回では、「江」はその場にいなかったが
柴田勝家と市の場面なんか
その人物の性格が浮き彫りになり
見応え十分だった。
個人的には柴田勝家のファンになった。

女性の視点に立つことにより
戦国武将の違った一面を見れる意味で
今回の大河ドラマは良くできていると思う。

のだめっぽいと見るのを止めた人。
のだめカンタービレをもう一度見ると良い。
【全然違うから】

今回の大河ドラマ、終わりに向け
主人公がどのように変わっていくか
今から凄く楽しみだ。