ワイルド・スワン

  

ようやく読み終わった。(先週末)

中国人女性による、
自分の祖母誕生から母親、自分へと連なる
ノンフィクション。

清朝末期、日本の支配、辛亥革命文化大革命
そして、20年ほど前の現在に至る
中国の歴史の一端が分かる本。

出版当時、大ベストセラーになったようだ。
僕は職場の先輩から勧められるまで
全く知らなかった。

文章は読みやすいのだが、
書かれている内容が凄まじく、
読むスピードは思いのほか遅くなった。

特に文化大革命で行われた部分は、
読んでいて吐き気がした。

あれで、少なくとも中国の発展は
30年遅れたと思う。
経済面での打撃ばかりではなく、
中国の人たちの心に与えた打撃は、
計り知れない。

何人かいる、中国人の知り合いは、
普通に付き合える人ばかりだ。
(年下ばかりだが)

職場にも、任期付研究員で中国人がいる。
彼は家族で日本に住んでいて、
子供も日本にいる。

そんな彼の親も文化大革命
影響を受けていると聞いた。

本に読んだ、その出来事は
今につながっているのだ。

東日本大震災の影響で、
近現代史を紐解き始めたが、
読んでも読んでも終わらず
なかなか大変だ。

しかし「歴史に学ぶ」とはよく言ったもので、
わずかばかりの本を読んだだけで、
歴史の潮目のようなものは
漠然と見えてきた。

そうすると、
他人の知見のあるなしもわかってくる。
そういう目で、議員さんを見ると・・・。

世界史の潮目も見えてきた。

今、世界で起こっている出来事は、
過去からの潮流で起こっているわけで、
そうすると、現在のニュースを見る時、
今まで以上に背景が見えてきて
無関心では居られなくなり
どっと疲れることも増える。

ある時点で中心だと思っていた考えが、
知見の領域が広がることで、
中心でないことがわかり、修正する。

更に広がると、そこも中心でないことがわかり、
更に修正を加えていく。

視点がどんどん変化し、
同じ出来事が、全く違う事象に見えてくる。

毎日疲れるけれど、
知る前が良かったとは思えない。
知って良かったと思う。