映画放談「コクリコ坂から」

宮崎吾朗 第2回監督作品。

1作目のゲド戦記はまだ、見ていない。

なので、宮崎吾朗監督の作品は初見になる。

NHKスペシャルの完成までのドキュメントを見て
見に行く気になった。
監督と、あまり歳が変わらないのも
それで知った。

舞台は東京オリンピック前年の
昭和38年の横浜。

主人公の通う高校の様子や、
下宿屋を営む家の中を
町並みを
これでもかというくらい
丁寧に描いている。

その空気感が、
まるで、その時、その当時を
映し出しているかのような
錯覚すら覚えた。

インターネットもメールもなかったおかげで
考える時間は充分にあったよな、
と思った。

会わない時間、会えない時間が、
その後を豊かにする
そういうことがあり得た時代。

今の若者にとっては
これこそファンタジーだろう。

僕がそういう思いを抱いたほどに、
この作品は、
登場人物が息をしていたし、
画面から飛び出し生き生きとしていた。

宮崎吾朗監督の次回作にも期待が募る。