見えなかったこと

先の震災でマスコミが報道しなかった
亡くなった人とそれに向きあった人の記録。

どこか、おぼろげに想像していたが、
現場は、やはり凄まじかった。

この本で取り上げているのは
釜石での様子。

東北の全域に亘って、
同様のもしくは、もっと悲惨な状況があったことは
想像に難くない。

センセーショナルではなく、
淡々とした状況描写は、
冷静なぶん、よりいっそう
読み手に迫ってくる。

通勤時間や休憩時間に読んでいたが、
何度か涙腺が崩壊しそうになった。

読み進める中で、
震災直後のまさに現場では、
その状況が、一番必要な、その現場に
伝わっていなかった事が
よく分かった。

一夜開けても、何が起こったのか、
その現場では分かっていなかったのだ。
それは、阪神淡路大震災でも同様だった。

電気に依存しない、緊急事態の伝達手段が
必要だと、改めて思った。