EWA CHOR 第54回定期演奏会感想

去年もそうだったが、
部歌がよくハモる。

続く第一ステージ。
僕が知っているのは一曲。
作りが難しい曲を、丁寧に仕上げていた。
ハーモニーの推移もよくわかった。
これ以上を望むとしたら、
内容の解釈と表現を、日本語の曲並みに
突き詰めて欲しい。
ここまで出来るのなら。
ここらは指揮者の力量にかかってくるだろう。
彼女が振る日本語にも興味はあるな。

第二ステージ。
クラスターのある曲を暗譜とは・・・・。
指揮者も奏者も落ち着いて見える。
一ステでもそうだったけど、
ハーモニーの芯がぶれない。
なので、聴くことに集中できる。
ハモるので音のぶつかりも効果的。
ともすればわけの分からなくなる危険性のある曲を
最後まで聴かせてくれた。
歌い手の声の勢いは、最終ステージ並みである。
すっかり唸ってしまった。

休憩後、第三ステージ。
実に面白かった。
初っ端にゴレンジャーの替え歌。
呆気にとられる。
秘密結社の将軍が部下を労うイイヒトで
ツボにハマる。

音楽のアレンジも良い。
合唱もキチンと演奏している。
(普通は結構グダグダになりがち)

最後、敵がヒーローを諭し、
最大の敵も改心して味方に(笑)。
ドラゴンボール、ワンピース世代ということか。
それとも、敵側にも、一分の理があるということが
彼らの世代の共通認識なのか?
などと考えながら、大いにに笑わせてもらった。
最後の「季節へのまなざし」パロディは
ひっくり返ったし。

最終ステージ。
圧巻。先生が本気で振っているのが分かる。
演奏者に対する本気、学生と思ってないのが
後ろ姿からも分かる。

動きが伴う場面でも、迷いがない。
本当に宮沢賢治の描いた、その場面になっている。
終曲の「祈り」で涙腺が崩壊。
テノールのソロ?ソリ?でやられてしまった。
それに伴い、周りの合唱も乗ってくる。
演奏会でこんな感覚に襲われたのは
いつ以来だ?

高校生がこれを聴いたら大変やろなぁ。
演奏でこんな可能性があることを聴いてしまったら。
府立大入学を目指しても何ら不思議はない。
それほどまでの演奏会だった。

学生の定期演奏会は、
今回の奇跡のような瞬間に立ち会える反面、
学生ゆえに、メンバーが年毎に変わっていく
寂しさも感じる。

それこそ、奇跡のように美しい夕焼けのように、
その場で、その瞬間しか、体験できない。
二度と同じものはない。
その移ろいが、年毎にメンバーが変わって行くことと
あいまって、余計に感じてしまうのかもしれない。

でも、それだけに、強く記憶に残る、
ライブの醍醐味を久々に感じた演奏会でした。
ありがとう、僕も頑張ります。