分岐点

毎年、NHK大河ドラマは何かしら非難があるけど
僕は毎年、面白く見ている。
八重の桜の面白いところは、
幕府側それも幕府に愚直なまでに忠誠を誓う、
「ならぬことはならぬ」という不器用さを持つ
会津藩視点というところだ。

動乱でざわめく京の都と
遥か離れた会津の様子の対比が、
面白いのだ。

中央での動乱が、どのようなタイミングで、
どれだけの時間がかかって伝わるのか、
故郷との連絡はどのように取られるのか、
少なくとも今まで見たこと無い視点で
幕末を描いているというところだけで、
今後どうなっていくのか楽しみだ。
【結末を知ってはいるけど】

もう一点、
長州、会津、薩摩を始めとする諸藩、
そして徳川が、
武力と時期だけで、兵を動かすのではない、
一番重要なことが、
帝に弓を引くか否か、
朝敵になるか、官軍となるか、
それが最も重要な要因になっていることだ。

この日曜日の放送の段階で、
会津がこだわっているのも、
朝敵という汚名を濯ぐことで、
そのことが要因になり
やがて徹底抗戦を行なっていく流れに描かれるようだ。

朝敵か否か、
帝に弓をひいてはならないという価値観。

幕末から明治にかけて、
日本を二分する血で血を洗うような、
大規模な内乱が起きなかった要因の一つに、
このことがあったんだなぁと
今更ながらに思い至った。

戦後に、
【日本人同士】の無益な殺し合いがなかったのも
おそらく、同じ要因だろう。

それは今の日本の根底にも
【日本人】の心根にも
通奏低音のように流れているように感じた。