帝国主義は形を変えて今も生きている

日本が売られる 堤未果

今から100年と少し前までは、
武力と科学技術を背景に、
目に見える形で、世界は切り取られ、
力あるものが利益を独占していた。
中心を担ったのはヨーロッパ諸国であり、
帝政ロシアであり、
新興国アメリカであり、
敗戦を迎えるまでの日本だった。

今は、
法と、健全な企業活動に見せかけ、
途上国に対するインフラ整備を隠れ蓑に
「今だけ、カネだけ、自分だけ」を推進力に
見えない帝国主義によって
世界は再び、切り取られ、
力ある多国籍企業によって、
遅れてきた帝国主義国の中国によって
利益が独占されつつある。

このまま、どこかのSFで見た
ディストピアが具現化するのか、
それとも違った未来がやってくるのか。

未来から見たとき、その歴史のただなかが
今ですよ、と警告を発した本。

なかなか読み進めるのには
ストレスを感じてしまうけれど、
今読むべき本だと思う。