演奏旅行日記7 初めての光景

海浦東空港を発ったのは
日付が変わってからだった。
(4/29→4/30)

当然周りは真っ暗で
景色は見れるはずもなく。

眼下を見渡すと、
ただ、ただ広い大地に
幹線道路のナトリウムランプが
粘菌が自分の居場所を広げるかのように
漆黒の大地を彩っていた。

その漆黒の中に
溶接の光がチカチカして見え
何かを大急ぎで作っているのを伺わせた。

天気が良いのか、
上空に目をやると
美しい満月が煌々と輝いていた。

航空機は満月を左前に見ながら飛んでいた。

月と
航空機と
漆黒の大地を遮るものは
何もないくらい
雲一つ無い空だった。

しばらく月に見とれた後
ふと大地に目をやると
時々光るものが目に飛び込んできた。

漆黒の大地のわずかな水辺に反射した月である。

風もないのか
川や池、水路にさしかかるたび
大地から月が
その美しい姿をのぞかせる。

時速数百キロで飛んでいるはずの
航空機の機内にいることを
忘れてしまうような
ゆっくりとした
その有様。

空に輝く満月、
漆黒の大地に映る月。

同じ機内に、
それに気がついている人は
少ないようだった。

機が進路変更し
そのつかの間のショーが
見れなくなるその時まで
窓にかじりつきで見続けていた。

それと同時に、
窓のブラインドが閉められ
機内は夜を演出し始めた。

次はたぶんフランクフルトだ。
つづく・・・・。

肝心の中国東方航空のことを。
機内サービス、
機内食など、
以前のルフトハンザと
大して違いはなかった。
(今回のルフトハンザは随分とゴージャスだった様ですが)

航空機も新しいし、
目立って不満はない。
ただ、機内アナウンスが
中国語→ 英語のみで、
情報が聞き取りにくかった。
それと機内上映は
当然中国語字幕のみ。

英語が普通に操れるのなら、
全く問題ないでしょう。

さて、我々の搭乗機は
出発の遅れそのままに
約30分ほど遅れてフランクフルトに到着した。
午前6時30分を回って、もうすぐ7時になろうか
という時間だった。

ここから入国審査と、
手荷物受け取りだ。

ルフトハンザのみんなと違い、
荷物の受け取りと
再度ここで、チケット発行と
チェックインの必要があるのだ。

まず、入国審査で、
たくさんの中国人たちが
どんどん詰まってくる。

なかなか進まない。
その割に、我々はほぼノーチェック。

少し焦り気味に、荷物受け取りへ。
ここですでに1時間と少し経っていた。

無事荷物は届いていた。
取り合えず、ヨーロッパまでは
届いていると一安心。

次の目的地ターミナル1へ。

案内に従うと、どんどん建物の上へ。
モノレールがあった。
2004年に来た時は、
工事中というイメージしかなかったが、
それは終わっている感じだ。

ガラガラに空いている
モノレールに乗り込むと
程なく発車。

高い位置から空港を眺めて、
数分で、ターミナル1のB、Cという
セクションに到着。

大半の人は降りたけれど、
何人か残っていたのと、
アナウンスで
B、CがなんやらかんやらAなんやらかんやら
と聞こえたので、
次はきっとAだろうと、
そのまま乗っていた。

ところがである。
あろうことか、モノレールは
もとのターミナル2へ向けて
走り始めた。

いわゆる逆戻りである。

再び同じ景色を堪能し、
そのまま折返せると思いきや、
全員降りろとアナウンス。

次のミラノ行きの
チケットすら発行されていない
我々三人に、フランクフルト空港の
トラップが発動した。

我々三人は、どうなるのか?
つづく•••