宮沢賢治の青春―“ただ一人の友”保阪嘉内をめぐって

勧められて読んでみた。
単行本が94年(すでに廃刊)
今回読んだ文庫本が97年に出版されていた。

97年だったら、
一人で花巻を旅行した時に
間に合っていたことになる。(98年)
あの頃に読んでいたらと
今更ながらに思う。

勧めていただいた方も仰ってたが、
たしかにこれを読むと、
宮沢賢治の作品群の意味が明確に浮き上がってくる。
独特の造語に関する謎解きもある。

特に最終章の「銀河鉄道の夜」の解釈は圧巻だった。

個人的には、賢治が詩作の中で
数多く用いていた「修羅」の意味が
理解できたことが収穫だった。

母木光あての手紙の意味が今なら胸に迫ってくる
「大衆目当てで決して書いてゐる次第ではありません。
全くさびしくてたまらず、美しいものがほしくてたまらず、
ただ幾人かの完全な同感者から『あれはさうですね』
といふやうなことをぽつんと云はれる位が
まづのぞみといふところです。」