京都クラウディオモンテヴェルディ合唱団 第54回定期演奏会ー得難い一夜

最初のステージはモンテヴェルディのモテットとマドリガル。 各パート三人のアンサンブルで 曲ごとにメンバーが入れ替わる構成だった。 パート間のリアルタイムの駆け引きみたいなものは流石に少なかったが、 パートが揃って、音楽的に押さえるべきツボを押…

その視点は思いもよらないが、同時にすごく思い当たる

帳簿の世界史 原題は「The Reckoning : Financial Accountability and the Making and Breaking of Nations」 「怠慢への報い:財務説明責任と国家の創造と破壊」最近読んでいる本で、一番面白かった。内容はタイトルに有るように、 会計や財務という観点か…

映画放談「あん」

樹木希林さんとお孫さん内田伽羅さんの共演、 知ってるはずがしばらく気がつかず。永瀬正敏さんの有り様に、 身につまされるというか、 あーと言葉にならない共感を感じてしまう。 今、劇場で観てよかったと思える作品。 http://an-movie.com/sp/

実に面白い

ハトはなぜ首を振って歩くのか読了。鳥の動作一つ取っても意味がある、 それを探求する面白さが充分に伝わった。その理由については、 本書を参照いただくとして、 読み進めるうちに、著者が自分より年下かも という感覚があった。根拠はないが、自分より年…

宮沢賢治の青春―“ただ一人の友”保阪嘉内をめぐって

勧められて読んでみた。 単行本が94年(すでに廃刊) 今回読んだ文庫本が97年に出版されていた。97年だったら、 一人で花巻を旅行した時に 間に合っていたことになる。(98年) あの頃に読んでいたらと 今更ながらに思う。勧めていただいた方も仰ってたが、 …

TCMC 第5回教会コンサート

会場はカトリック本郷教会。ここに来るのは1年ぶり。 今回は早めに着いたので、近くの六義園に立ち寄った。最初はモンテヴェルディの4つのモテット。 男声陣の安定感が揺るぎなく 多少のブレも全て吸収してしまう。次の和声を狙っている(様に私には聞こえた…

読書疲れ

ここのところ、風邪を引いていたのもあるが 読書の集中力が続かない。読む本の内容は、 歴史、経済、外交、工業、科学技術などなど。もともと本は読む方だったが、 歴史、経済、外交に偏りを見せたのは、 東日本大震災がきっかけだった。そういうわけなので…

うまく説明できない

何故これほどまでに、心が乱れるのか。映画「サン・オブ・ゴッド」 を観た。客観的に観ようと思っていた。 冷静に観れると思っていた。しかし、捕縛、裁判、鞭打ち、 三度の否認、 銀貨を投げ返すユダ、その後の自殺 バラバを釈放しろという群衆 ゴルゴダの…

客観的な知識と歴史

客観的な知識と歴史 新・戦争論読了。池上彰氏と佐藤優氏の対談本。 面白くないわけがない。中東の部分を読んで ようやくシーア派とスンニ派の違いが 胸にストンと落ちた。現在世界で起きていることを理解する 指南書としては1級品。今朝パリで起こった、新…

本屋さんは楽し

本が好きで 本屋さんも大好き。家の近くには 大型書店がいっぱいで、 嬉しい反面、 懐は寒く、 部屋はますます狭くなる。しかし、それにしても 本の種類の多さには感動を覚える。古いのは奈良、平安時代のから 江戸時代は言うに及ばず、 日本に漂着して、帰…

いまさら思うこと

今決めんでも、後でええわ の「後」って意外とない。今やらんでも、別の似た機会に の「似た機会」って実はない。『チャンスの神様は前髪しか無い』そうかも、と最近思う。 ふと、過去を振り返ると、 より実感するようになった。若い頃は、 頭でわかったつも…

映画放談「ゴジラ」

60年前のゴジラ おおよそのストーリーは知ってたが、 大きなスクリーンで観たことがなかった。昭和29年公開って、 今のうちの職場が現在の場所(神戸市須磨区)になった年だ。 焼け野原になって9年後に公開された映画。ゴジラの破壊する東京が、 すでに…

映画放談「メイジーの瞳」

メイジーに 都合のいい人間としての振る舞いを求める 生物学上の実の親。メイジーに 子供として振る舞うことを許容し、 人間として接した青年。子供は、自立するまで、 庇護のもと生活するしか無い、 その庇護が一瞬外れた時、 ついにメイジーは泣くんですよ…

TCMC教会コンサート雑感

合唱団の良いところも悪いところも 現状が全部出た演奏会だった。良かったことは、演奏が進むほどに、 乗ってきたことだ。 多少の上下はありながらも、 調子は上向きだったこと。最後の「十字架上のキリストの最後の言葉」に向けて 確実に盛り上がったので。…

女声合唱団りんどう第27回定期演奏会

女声合唱曲集「自然と愛と孤独と」。 この詩に曲を付けたのは、なんとも興味深い。 今、簡単に調べると、この詩人は、 死後に評価されたアメリカの詩人のようだ。 経歴を見るにつけ、宮沢賢治を連想させる。初見で一度聞いただけでは、 僕には良さがわからな…

映画放談「ウォーム・ボディーズ」

どのジャンルに入れていいか悩む映画。 コメディの範疇なんだろうけど、 ソンビ映画としての基本(?)も 押さえてあるので、 一部の人にとっては苦手であろうシーンも、 ちゃんと、描いている。思いついたのは、 寓話的ゾンビ物語(映画)。背景は、たぶん…

映画放談「マン・オブ・スティール」ファンタジーを手放したスーパーマン

個人的に記憶にあるのは クリストファー・リーブが演じていた スーパーマンシリーズだ。彼の演じるスーパーマンは、 浮世離れしていて、 いわゆる白馬の王子様タイプで、 どこかしら、おとぎ話の登場人物のようだった。クリプトン星のテクノロジーも クリス…

浮世絵の夏 −納涼と花火− 〜国貞、国芳、広重ら 人気絵師の競演〜 - JR KYOTO ISETAN

実に面白かった。 少し前に、幽霊画妖怪画の展示会にも行ったけれど、 日本画、浮世絵は面白い。タイトルにもあるように、 納涼と花火がメインテーマで、 いろんな絵師による浮世絵を見ることが出来た。 江戸時代に、品質の良い和紙と 豊かな色が安定供給さ…

映画放談「25年目の弦楽四重奏」

見てる最中に思ってたこと、 演奏会前に何をややこしいことを・・・。そのややこしいことは、 実に人間臭くはある。自分の場合は、日中の仕事の後、 音楽に関わっている。 起きている時間だけを考えた時、 その比率は、3割も無いだろう。その自分の現実の立…

京都Cモンテヴェルディ合唱団第50回定期演奏会感想

会場は京都文化博物館。会場は満席。前半がモンテヴェルディで後半が邦人曲のプログラム。 ここでお客さんをするのは 随分ひさしぶりだ。 (ここの会場までの道で少し迷った)1ステ マドリガル集 テンポ感、フレーズ感がともに軽快。 多少言葉が不明瞭な部分…

映画放談「風立ちぬ」

満席の映画館は、珍しい。 しかも大阪ステーションシティシネマでは 一番大きな会場。飛行機を パイロットから描くと「紅の豚」 設計者から描くと「風立ちぬ」 だろうか。作品中にパイロットは描かれるが、 その詳細な描写は、ほぼ無い。 その代わり、設計者…

コーロ羽衣 第23回定期演奏会

ステージの合間にツイートしたものを 加筆修正しています。ポピュラーステージ。 明日に架ける橋、キーは原調、編曲は直球。 演奏も歌詞も良くわかって良かった。 中学くらいの時に、アルフィーのオールナイトニッポンで S&Gのギター生演奏をしていたのを聞…

マスコミや法曹関係者に読んで欲しいかな

反省させると犯罪者になります刺激的なタイトルとは裏腹に、 得心のいく内容。自分の過去を振り返り、 腑に落ちる点も多数あった。おそらく、少なくない人が、 本書で書かれている内容に関して、 思い当たることがあると思われる。問題行動があった後に まず…

分岐点

毎年、NHKの大河ドラマは何かしら非難があるけど 僕は毎年、面白く見ている。 八重の桜の面白いところは、 幕府側それも幕府に愚直なまでに忠誠を誓う、 「ならぬことはならぬ」という不器用さを持つ 会津藩視点というところだ。動乱でざわめく京の都と 遥か…

この1週間

火曜日、いつもお借りしている教会が使えなくなった。翌日、マンスリーコンサートの準備に行ってみると、 教会の祭壇に遺影がかけられていた。 親族と思しき方々の最後のお別れの後、遺影はしまわれ、 その夜、マンスリーコンサートが行われた。 連続演奏の…

名古屋ビクトリア合唱団 第9回定期演奏会

最初はビクトリアのモテットから4曲。 名前を冠しているのは伊達ではない演奏。乱れそうになる刹那に持ち直す。 響きとしては安定してきた印象。個人的には3曲目のNigra sumを興味深く聴いた。 モンテヴェルディのヴェスプロで 同じ歌詞の曲を何度か歌ったと…

映画放談「HK」

ずいぶん前の漫画原作の映画化。 見る人を選ぶ映画だと思う。はっきりいえばお下品な映画だ。 しかし、僕はすっかりハマってしまった。 主人公のコスチュームにやや問題をはらんではいるが 難点はそこだけで、 バカバカしさ、作品の質からいえば、 一級品だ…

映画放談「舟を編む」

母国語で、高度な知識にアクセスできること。 辞書はその最前線なのだ、 ということを改めて確認した。そして、そのアクセス可能な媒体を作るのに どれだけの手間がかかるのか、 多くの人の手と時間を要するのか、 垣間見ることができた。それは紙であろうが…

映画放談「Les Misérables」 切ない・・・・

たくさん、見に行く方だけれど、 映画館で泣くことは、 殆どない。でも、この映画ではやられてしまった。 ヒュージャックマンさんの演じるシーン 最初と最後で、もう堪えきれなくなった。涙腺が決壊したのは、 切なさゆえだ。 ヒュージャックマンさんの演技…

EWA CHOR 第54回定期演奏会感想

去年もそうだったが、 部歌がよくハモる。続く第一ステージ。 僕が知っているのは一曲。 作りが難しい曲を、丁寧に仕上げていた。 ハーモニーの推移もよくわかった。 これ以上を望むとしたら、 内容の解釈と表現を、日本語の曲並みに 突き詰めて欲しい。 こ…